2020/06/26 11:33

初期型バードコール丸型バードコール「アカハラ」この現行モデルの2種は今後も柄は変えるかもしれないけれど、売れる限りあの形のまま作っていこうと思っている。新作も考案している。インスタグラムやこの通販サイトの商品詳細でも少し触れているが、なぜこのバードコールを作ったか、なぜスケボーだったのか、自分でも整理するために野鳥が好きになった経緯や使い古したスケボーで制作する意図など少し書いておこうと思う。

小学校3年生の二学期、家庭の事情で生まれ故郷の御殿場市神山から静岡県三島市の徳倉というところに引っ越すことになる。生まれ故郷の学校や近所の友達、優しい祖父母、川で魚を獲ったり釣ったり、田んぼを駆け回りカエルと遊び、蛇を捕まえクルクル回し遊んでいた田舎がとても好きだった。その場所から離れて暮らす事が嫌で母にブーブー文句を言っていた様な気がする。三島という場所に向かう車中、まだどんな場所か知らない少年の自分は不機嫌に外を眺めていた。車で40分ほどで着いた場所は住んでいた田舎とさほど変わらぬ、山も川も田んぼもあるまあまあな田舎であり、何か拍子抜けしたような気分と、この場所も楽しそうだなと思ったのを何となく覚えている。

三島での生活にも慣れてきた頃、夏だったと思う。引っ越し先のアパートの駐車場で石ころを投げて遊んでいたか虫取りでもしていたか記憶は曖昧だが、ふと横を見ると地面に小さな鳥がいた。近づいても逃げずに怯えながらジッとこちらを見ている、好奇心旺盛な少年の自分は迷わずその小鳥を捕まえようとおもいそっと手をかざすがなぜか逃げない。どうやら怪我か病気か何かしらの理由で動けないようだ。抵抗することなく少年の手に収まったその鳥はとても可愛くまた見たことがない鳥だった。当時も色々図鑑など調べたがクチバシが細長く足には水掻きがある。シギかチドリの仲間だろうという事までは分かったのだが、幼鳥の様で種類を特定することはできなかった。(最近記憶を頼りに色々考察した結果多分”トウネン“という渡鳥だと思う)


その日少年の自分はその鳥が無事に回復するまで保護する事に決めてしまう、少年の救ってあげたいという純な使命感と可愛くて飼いたいという人間エゴが重なったのだ。※現在は鳥獣保護管理法で罰せられます。

現代ならインターネットが普及しているので何かしらの対処が出来ただろうが、当時は当然インターネットは無く正しい対処方法を知っている知人も無く、母も姉たちも動けずかわいそうと思ったのだろう保護する事に賛同してくれた様に思う。ピッチュ、だったかピッピだったかそんな名前を付けた気がする。何を与えて、どんな入れ物に入れ、どんな風に介護するかなど全くわからないのに、好奇心と愛くるしさで決めてしまった保護するという判断は今思えば無謀で残酷なことだったと思う。

虫かごの中に布か何かを引いてミミズや虫などを与えたり、ペットショップで鳥の餌を買ってもらって食べさしたりしているうちにトコトコ歩ける様にまで回復したピッチュだったかピッピだったかは、少年の自分になついてきて、風呂に一緒に入れたり(もちろん鳥は水)家族で旅行に行く時も連れて行ったりした。トコトコ歩くがうまく飛べない様で旅行先の海辺で離してみたりもしたが餌を漁ったりはできてもうまく飛べずトコトコと手に収まって来る。フワフワとして華奢で、虚で真ん丸い可愛い目は今でも覚えている。

そんなピッチュだったかピッピだったかともお別れの時がやって来る、餌をあまり食べない日が続き何日かして、目が覚めるとカゴの中で横たわり冷たく動かなくなっていたのだ。保護していたのは1カ月にも満たない期間だったと思うがとても悲しくて動かないピッチュだったかピッピだったかをずっと手に抱いていたと思う。初めて出会った駐車場の片隅に生えた木の下に穴を掘って埋めてあげた。ピッチュだったかピッピだったかゴメンよ、きっと色々と間違っていたんだろう。もっと適切な処置があったんだろう。あの時少年だった自分にはあのくらいしか出来なかったんだ、許しておくれ。

そんな事があってからというもの、何故か他の鳥にも強い興味が湧き、その辺で見た鳥を図鑑で調べたり、その日見た鳥をノートに書き記すなどしばらく続けていたと思う、そしてたまに会う父も昔鳩を飼っていたこともあって鳥に詳しく、色々教えてくれた。だからその頃覚えた鳥の名前は今でも結構覚えていてその辺にいる野鳥の類ならばすぐに名前が出て来る。
そして今、生まれ故郷に少年だった自分が大人になって戻って来た。大人になって気づいた事だがこの庭は野鳥がたくさん来る。仕事場から庭を眺めれば、季節によって様々な野鳥が飛んでくる。たまに外来種も来る。双眼鏡と父が残した野鳥ガイドブックは必ず仕事場のデスクの上にある。庭に作ったミニランプにイソヒヨドリが留まっていた時はニヤリとした。


鳥を呼びたい。もっと見たい。そうだバードコールでも買うか。と思って色々調べたところ、バードコールの作り方を紹介している動画を発見する。その中でバードコールに適した木は硬い木が良いとあった。硬い木、硬い木、、。

!!スケボーじゃね?カナディアンメープル、カッチカッチじゃね?作れば良くね?

少年期に引っ越した先の三島で出来た友人と始め、やってるうちにみるみるのめり込んでいったスケボー。ピッチュだったかピッピだったかと出会ってから好きになった野鳥。そして使い古してもう乗らないのに処分出来ず貯めてあったスケボーをリユース出来て思い入れのある物を捨てずに身につけていられる事。それを自分のフォロワーである人が買ってくれる。全てがカチッとハマった様な感じがして、初期型バードコールを夢中で作った。次にその頃よく庭に来ていたアカハラが綺麗で丸型のバードコールアカハラが出来た。

人にはそれぞれ事情がある、その事情によって必然的に出来上がったりする物があるのだと思う。いつかピッチュだったかピッピだったかをモデルにしたバードコールも作ろうか。それも必然か。

Naotoradams バードコール。

現在、初期型丸型も在庫あります。

こんな長い文を読んだあなたは必然的に購入するべきだと思いますね!!

今日もシジュウカラが庭で鳴いてる。

ツーツーピー。ツーーーツーピー。

Naotoradams